実は、気にかけていらっしゃる方は少ないのですが、企業活動するにあたって、法律的な面から注意しておかなければいけない点が多々あります。
例えば、お客様にサービスを提供する、取引先と契約を結ぶ、従業員を雇う。
このような基本的な企業活動にはすべて法律が密接に関わっていますから、その点に気をつけながら活動をする必要があります。つまり、そこにリスクが潜んでいるということです。
そのリスクの有無を理解し、それらをコントロールした上で企業活動をするのとしないのとでは、万が一トラブルが起きたときの影響度合いは変わってきますし、トラブルが起こる確率まで変わってきます。ですから、本来事業をする、会社を経営するためには、ある程度法律の知識は必要なんです。
しかしながら法律を学ぶ機会がないために、多くの方が法律の知識を持ち合わせていません。そこでお役に立てるのが、「リスクをマネジメントして企業を成長させる」弁護士です
「この契約の場合には、このポイントに気をつけたほうがいい」「こうすれば、リスクを最小限にした活動ができる」「この事業の場合は、業務オペレーションまで詰めておいた方がいい」など、法律的な視点とこれまでの経験から、企業活動がスムーズに行なえるよう事業や経営をナビゲートするのが、私の弁護士としての役割です。
業態だけでなく規模もさまざまで、従業員が数名のベンチャー・スタートアップ企業から数百人規模の企業まで幅広くサポートさせてもらっています。
始める“前”に相談するが勝ち
そうです。
事業を始める前や、会社を設立する前の「構想」くらいの段階でご相談いただくのが一番で、「こんなことを始めようと思うんだけれど…」くらいのライトな段階で、とにかく気軽にご相談いただきたいです。
なぜかというと、「もう始めます」というタイミングでは、手遅れになる可能性が高いからです。
たとえば新たに仕事をスタートするとき、当たり前のように契約書を結んでいきますよね。
その契約締結後にご相談いただいて、契約書をチェックした際にトラブルになりそうなリスクが見つかったとしても、すでに締結してしまった契約書に変更を加えるというのは簡単な話ではありません。まだ契約締結前であれば修正することも可能ですが、それには労力と時間がかかることはご想像いただけると思います。
契約書はトラブルを未然に防ぎ、万が一トラブルが発生した場合に問題をスムーズに解決し、ひいては取引を円滑に進めるためにあるので、それを有効活用して事業をスムーズに進めて欲しいんです。
このようにトラブルが起こる前であればまだいいほうで、一番良くないのは何かが起こってしまってからの相談です。
事が起こる前であれば、「どこに気をつけて仕事すべきか」とアドバイスできますが、なぜか弁護士へご相談いただくタイミングは、「取引先とこんなトラブルになってしまっています。どうしたらいいでしょう?」という事後の相談がほとんどです。
トラブル前ですら労力がかかることなのに、トラブル後になれば相談者にかかる負荷は相当なものです。揉めてしまっていると相談者も一杯いっぱいになっているので、労力も割かれるし、時間も取られるし、大金を払う羽目にもなる。お金だけならまだしも、何より精神的にやられてしまうのが一番辛いと思いますし、そういう方々を実際にたくさん見てきました。
そうならないよう、構想段階からリスクをマネジメントしておければ、トラブルを未然に防ぎ、事業をスムーズに進めることができます。
ですから、誤解を恐れずに言うと法務はズバリ「先手必勝!」。
これだけは、頭の片隅に覚えておいて損はないと思います。
はい。
でも残念なことに、ほとんどの方が、会社を作る前に弁護士のところには行かないのです。
会社を作ろうと考えたときに最初に行くのは、行政書士さんや司法書士さんのところです。そこでまずは定款を作成したり、登記をしたりして、会社ができると次に向かうのが確定申告のための税理士さん。その次が人を雇う際の社労士さん。そして、何かトラブルが起こって困ってから弁護士のもとへいらっしゃるんです。
「法務サポートは、お金に余裕ができたらお願いしよう」と考えている方が多いのですが、私からすると本末転倒で、順序が逆です。まずは弁護士のところに来てもらって、知らないと損することをきちんと知っておく。それを踏まえた上でどうするか判断いただくのが、企業活動をうまく継続していく秘訣だと思います。
弁護士も選ぶべき
ただし、一点気をつけていただきたいことがあります。それは、「紹介してもらった弁護士さんにお願いしよう」と一人の弁護士だけしか見ないことです。
私は、私のもとに相談に来てくれた方には「他の弁護士さんのところにも行ってますか?」と聞くようにしています。
企業活動を法務的にサポートしてもらう弁護士を決めるということは、いつも隣で伴走する相手を決めるということです。日常的にコミュニケーションをとる相手になるので、相性がいいかどうかは非常に大事なポイントです。それを見極めるにあたって、何人かの弁護士や法律事務所を回ってみるのは、非常に有効な手段だと思っています。
自分に合った弁護士を選ぶためには、値段なのか、経験なのか、自分が何を優先させて弁護士を選ぶかを決めておくといいですね。
弁護士によって、労働に強い弁護士、特許や著作権など知的財産権に強い弁護士、医療事件に強い弁護士など、主に扱う分野や得意とする分野がそれぞれ違うので、その得意分野と優先順位を加味して探してみると、いいパートナーが見つけられると思います。
そうですね。
ちゃんとした企業活動をしている企業やいい事業をしている企業が、より良く成長してもらうために、必要なサポートを法務面から行うことを強く意識して仕事をさせてもらっています。
医療でたとえるなら、重い病気を手術で治すというサポートではなく、健康的にイキイキと輝く生活を送れるよう、元気なうちからサポートするイメージです。
すでにお話したように、弁護士はトラブルが起こってから、困ってからという「後ろ向き」の状態で使われる事が多いんです。私はそうではなく、弁護士の力を「前向きに」使いたいと思って、企業活動を日々サポートさせてもらっています。
より良い 世の中・未来を創っていく
繰り返しになりますが、私の目の前のクライアント企業が余計なトラブルで無駄な時間や労力を割かなくていい状態にする、そして大事な事業や経営に集中できる状態にする。これが一番大切です。
もっとも、企業活動にはいろんな方が関わってくるので、トラブルを100%防止できるわけではありません。万が一にも揉め事が起きたときには、クライアント企業の利益を最大限追及しますが、それがいき過ぎるとバランスは崩れてしまいます。
対取引先企業や対個人を蹴飛ばしてでも自分たちだけ良ければいいのかというと、僕個人は違うと思っているので、そのバランスを大事にしながらアドバイスさせてもらっています。
そういうより良い世の中をつくる企業が、安心して事業に打ち込んで成長していけるようなお手伝いをしたいという想いで弁護士をしています。
世の中を大きく変えるとか、めちゃくちゃ最先端の事業をしている企業も大歓迎ですが、「この事業を生業としてうちはやっているんです。ちゃんとやっていきたいんです」という想いがある会社であれば、ぜひともお手伝いさせてもらいたいと思ってます。
先ほど気軽に相談してもらいたいとお話しましたが、そのハードルが高いという雰囲気も理解しています。ですから、もっと気軽に弁護士にアクセスしてもらえるような環境にしていきたいと考えています。
あと、少しだけ学問的な話にはなってしまうんですが、世の中を良くする要素のひとつに法律があると考えていて、実はその法律そのものがすごく大事なんじゃないかと思うんです。今の弁護士としての活動の根幹にある法律をデザインしていく、あるべき法律の整備に関わっていけると、もっと面白いのかななんて考えています。
そうやっていろいろな構想はありますが、何度もいうように、リスクをマネジメントして会社がきちんと成長できれば社会はよくなっていくし、成長する会社が増えれば増えるほどそのインパクトは大きくなります。顧問弁護士として企業活動に関わらせてもらうことで、世の中が良くなるよう貢献したい。本気でそう思っています。
stand.fmでは、「取引先」「従業員」「利用規約」などのトラブルを防ぐためにできることなども詳しくお話しています。ご興味のある方は、ぜひお聞きください。 stand.fmのチャンネルはこちら